E-767 AWACS(Airborne Warning and Control System)

E-767 AWACS
E-767 AWACS

概要と開発の背景

ボーイング E-767(Boeing E-767)は、1990年代にアメリカの The Boeing Company が開発し、1998年より日本の防衛庁(現防衛省)へ納入が開始された大型早期警戒管制機(AWACS)である。開発の背景には、1970年代からアメリカ空軍などで主力機として運用されてきた E-3 Sentry の警戒管制システムを、より現代的で拡張性の高い機体プラットフォームへ移植するニーズが存在した。E-3 の改造母機であった Boeing 707 の生産ラインが終了していたことから、The Boeing Company は後継のベース機体として最新の双発中型旅客機 Boeing 767-200ER を選定した。航空自衛隊においては、1976年のミグ25亡命事件以降に整備された地上レーダー網や小型の E-2C 早期警戒機に加える形で、広域の空域情報を自律的に収集・処理し、味方戦闘機群を統制する高度な航空管制能力が要求された。日本は1993年度(平成5年度)予算より順次調達を決定し、世界で唯一の E-767 運用国となった。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、Boeing 767-200ER のワイドボディ構造をそのまま活かした大容量の機体胴体と、機体背部に2本の支柱で固定された直径約9.14m、厚さ約1.83mの大型回転式ロートドーム構造にある。推進システムには General Electric Company 製 CF6-80C2 ターボファンエンジン2基を搭載し、レーダー機材の多大な消費電力に対応するため各エンジンに150kWの大容量発電機を備えている。主要センサーには Northrop Grumman Corporation 製 AN/APY-2 パルス・ドップラー・レーダーを内蔵し、海面や陸上からの強い不要反射波を電子的に排除しながら、低空侵入目標から高高度目標まで320km以上の範囲で同時に3次元探知・追尾する。4発エンジン機であった E-3 と比較して、キャビン床面積が約50%拡張されたことで14台の状況表示コンソールや搭乗員休憩区画の居住性が向上し、長時間の警戒哨戒ミッションにおける運用効率と静粛性の強化を達成している。

運用実績と評価

1998年の初号機受領以降、E-767 は航空自衛隊の警戒航空団(静岡県浜松基地に所在する第602飛行隊)に全4機が制式採用され、集中運用されている。実際の運用においては、日本周辺空域に対する24時間体制の警戒監視や対領空侵犯措置における空対空要撃管制の要として機能し続けている。東日本大震災の発生時には、被災地上空へ進出して多数の自衛隊機や警察・消防ヘリコプター等の航空交通管制支援を完遂した。さらに、機内のミッションコンピューターやデータリンクを米空軍 E-3 の Block 40/45 規格と同等水準へ刷新する能力向上改修(MCU)が実施され、高解像度のターゲット処理性能と高速通信ネットワーク機能が維持されている。無給油航続距離約10,370km、連続滞空時間9時間超の長距離進出性能を活かし、広大な周辺空域を防衛する統合警戒監視・作戦主導の中核アセットとして第一線での現役運用が続けられている。

Official Name (正式名称)E-767 AWACS(Airborne Warning and Control System)
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Boeing Defense, Space & Security (The Boeing Company)
Designed (設計年)ベース機であるボーイング767のプログラムは1978年に開始され、本仕様としての製造・調達は1993年より開始、1994年10月4日(ロートドーム未装備仕様。装備仕様は1996年8月9日)に初飛行が行われている。運用開始年については、1998年3月に初号機および2号機の引き渡しが行われ、1999年5月の実運用開始を経て、2000年から正式に運用が開始されている。
Primary Operators (主な運用組織)日本:航空自衛隊(航空総隊警戒航空団第2飛行群第602飛行隊)
Crew (乗員)20名〜21名(操縦士2名、機器操作員18名〜19名)
Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高L (全長): 48.51 m (159 ft 2 in) [一部の国内公式データでは約49.0 m (約160.8 ft) ]
W (全幅/翼幅): 47.57 m (156 ft 1 in) [一部の国内公式データでは約48.0 m (約157.5 ft) ]
H (全高): 15.85 m (52 ft 0 in) [一部の国内公式データでは約16.0 m (約52.5 ft) ]
Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量)自重 (Empty Weight): 85,595 kg (188,705 lb)
最大離陸重量 (Max Takeoff Weight): 174,635 kg (385,000 lb) [一部の国内公式データでは約170,000 kg (約170 t) ]
Powerplant (エンジン):型式、推力型式: 2x General Electric CF6-80C2B6FA 高バイパス・ターボファン・エンジン
推力: 1基あたり 273.6 kN (61,500 lbf)
Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度マッハ表記: Mach 0.86(巡航速度は Mach 0.80、一部データでは Mach 0.65以上とも記載される)
高度別の速度:最高速度として約450 knots (約840 km/h) または 800 km/h以上とするデータが存在する
Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離)戦闘行動半径 (Combat Range): 1,000 nmi (約1,852 km) の進出後に9.25時間の哨戒飛行、または300 nmi (約556 km) の進出後に13時間の哨戒飛行が可能な燃料・運用能力を持つ
航続距離 (Ferry Range): 約10,370 km (5,600 nmi) [一部の国内公式データでは約9,000 km または約7,200 km]
Service Ceiling (実用上昇限度)約9,100 m (30,000 ft) [一部の公式データでは 34,700 ft (10,576 m) ]
Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力None
Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数None

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=84837267

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