Combatant Craft Medium (CCM) Mk1

Combatant Craft Medium (CCM) Mk1

概要と開発の背景

Combatant Craft Medium Mark 1(CCM Mk1)は、2010年代初頭にアメリカ合衆国のVigor Industrial(旧Oregon Iron Works)がMichael Peters Yacht DesignやLeidosとの協力のもと開発し、2015年にアメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)へ配備が開始された中型特殊作戦艇である。従来の大型特殊作戦艇Mark V SOC(Special Operations Craft)やNSW RIB(Naval Special Warfare Rigid Inflatable Boat)の老朽化に伴い、高い高速性と密閉性、防護力を兼ね備えた次世代艇の獲得が課題となった。特に前級のMark V SOCは超大型のC-5輸送機でしか空送できず、航行時の激しい波浪衝撃が乗員の身体へ大きな負担を与える点が問題視されていた。こうした背景を受け、C-17 Globemaster III輸送機による迅速な機内空送に対応し、サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦やワスプ級強襲揚陸艦のウェルドックから直接展開可能な高機動・隠密性を重視した中型船艇として開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、小火器の射撃に対応する軽装甲化された二重アルミニウム船体(ダブル・アルミ・ハル)と、乗員の身体的ストレスを激減させる先進の衝撃緩和座席を採用している点にある。機関部にはMTU 8V2000 M94ディーゼルエンジン2基(合計2,500馬力)とZF SeaRex 120S表面推進装置(サーフェスドライブ)を完備し、満載時でも52ノット(時速約96km)以上の圧倒的な最高速力と、40ノット巡航時で約400〜600海里の長距離航続性能を発揮する。船体前部には減圧・密閉型の操縦キャビン、後部には広大なオープンデッキが配置され、各種ミッションに応じた機装の載せ替えが可能である。船頂部にはジャイロスタビライズド暗視・光学照準装置(CCFLIR)や暗号化多波段衛星通信(SATCOM)を完備し、船首にはキャビン内からリモート操作できる遠隔操作式兵装ステーション(RWS)を備えるなど、乗員の安全性を高める設計上の配慮がなされている。

運用実績と評価

2015年の制式配備開始以降、アメリカ海軍特殊戦コマンド(NAVSPECWARCOM)傘下の特殊ボートチーム(Special Boat Team 12など)に配備され、アメリカ海軍特殊部隊(SEALs)の基幹水上脚として主力運用されている。また、2023年にはノルウェー海軍特殊部隊(Naval Special Operations Command)への調達契約が承認され、同盟国への導入も決定した。ペルシャ湾、太平洋、地中海などの低〜中脅威海域において、SEALs部隊の隠密潜入・撤収任務、海上遮断作戦(Maritime Interdiction)、船舶臨検(VBSS)、対テロ警戒哨戒へ継続投入されている。前級のMark V SOCやNSW RIBと比較して、C-17Aによる世界規模での圧倒的な即応空送展開力、高波浪時における優れた静粛操舵性と乗員の疲労軽減効果、遠隔操作兵装による自衛火力支援能力が具体的に極めて高く評価された。現在もアメリカ特殊作戦軍における水上遠征機動と秘密作戦の主軸として確固たる立ち位置を占めている。

Official Name (正式名称)Combatant Craft Medium (CCM) Mk1
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Vigor Industrial
Designed (設計年)2010年代前半にアメリカ海軍特殊作戦部隊向け高速特殊作戦艇として設計・開発が進められ、Vigor Marine Groupによって建造された。2015年頃から United States Naval Special Warfare Commandで運用開始
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ海軍 (United States Naval Special Warfare Command/Navy SEALs所属:Combatant Craft Medium Mk 1)
ノルウェー:ノルウェー海軍(ノルウェー軍特殊作戦コマンド[NORSOCOM]傘下海軍特戦コマンド[Marinejegerkommandoen / MJK] ※2023年に米国より2隻の導入契約を締結し配備)
Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量満載排水量:約 59,600 lbs (約 27,000 kg / 約 27 metric tons / 約 29.8 long tons)
Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水L (全長):約 18.47 m (60 ft 7 in)
W (最大幅):約 4.01 m (13 ft 2 in)
D (喫水):約 1.0 m (3 ft 3 in)
Propulsion (機関):ディーゼル推進 – 2x MTU 8V2000 M94 ディーゼルエンジン + 2x ZF SeaRex 120S 表面推進装置 (Surface Thrusters)
出力:総出力 約 2,535 PS (2,500 hp / 各 1,250 hp / 約 1.86 MW)
Speed (速力):巡航 40 kt / 最大 50 kt 〜 52 kt 以上 (約 74 km/h 〜 96 km/h)
Range (航続距離):40 kt 巡航時 約 400 nm 〜 600 nm (約 740 km 〜 1,111 km)
Complement (乗員数):乗組員 4名 + 特殊部隊員 (SEALs) 最大 19名 (総員 最大 23名)
Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー):CCFLIR (Combatant Craft Forward Looking Infrared / 赤外線・昼間カラー・低照度カメラ・レーザー測距複合光学センサー)
対水上航法レーダー
GPS航法システム (DAGR Jam-Resistant GPS Receiver)
Blue Force Tracker (BFT) 友軍位置情報共有システム
統合暗号戦術無線・衛星通信システム (VHF/UHF/HF/FM & Wideband SATCOM)
Armament (兵装):機関砲・重機関銃:艇首 12.7mm M2 重機関銃搭載 RWS (遠隔操作兵装ステーション 1基)、後部デッキ側 銃座マウント (12.7mm M2HB 重機関銃、7.62mm M240 機関銃、40mm Mk 19 自動グレネードランチャー等を選択装着可能)
Aircraft Carried (艦載機)、
Carrying capacity(積載能力):
ペイロード(最大有効積載重量):10,000 lbs(約 4,536 kg)
乗員・乗船隊員・衝撃吸収シート・各種兵装およびミッションギア(通信機、作戦用資機材、燃料等)の総重量
C-17 戦略輸送機による空輸展開に対応、ドック型輸送揚陸艦 LPD / LHD からの直接発着対応

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By 399scout – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=137986453

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