たいげい型潜水艦 / Taigei-class submarine

Taigei-class submarine
SS-513 たいげい

概要と開発の背景

たいげい型潜水艦は、2010年代末から2020年代にかけて日本の防衛省および三菱重工業株式会社、川崎重工業株式会社によって開発・建造され、2022年(令和4年)より海上自衛隊へ導入された第6世代の通常攻撃型ディーゼル潜水艦(SS)である。海上自衛隊では、防衛計画の大綱に基づく潜水艦22隻体制への移行および旧式潜水艦の更新対応に加え、周辺国における海中探知技術の向上に対抗するための静粛性および海中行動能力の更なる強化が喫緊の課題となっていた。前級である「そうりゅう型」の最終量産艦(11・12番艦)で先行導入されたリチウムイオン蓄電池システムを基本設計段階から完全統合し、新開発のソナーアレイや次世代の静音化技術を盛り込んだ主力基幹潜水艦(計画時名称: 29SS)として開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、前級そうりゅう型(基準排水量2,950トン)から3,000トン(水中排水量約4,300トン)へと艦体を拡大し、設計初期から株式会社GSユアサ製「リチウムイオン蓄電池」と高出力主電動機を最適配置した点にある。従来のAIP(スターリング機関)と鉛蓄電池の組み合わせを完全に排除したことで、機関スペースの集約化とシュノーケル(吸排気筒)航行に依存しない高速かつ長時間の水中航行メカニズムを確立した。ソナーシステムには新開発の「ZQQ-8」を採用し、光ファイバー素子を用いたコンフォーマル・アレイにより探知距離と信号処理能力が飛躍的に向上している。さらに、浮体構造の防振設計や吸音タイルの最適化により自発音および反射音を極限まで低減させた。また、女性自衛官の乗艦に対応した専用区画や居住設備が自衛隊潜水艦として初めて標準設計されている。

運用実績と評価

2022年3月に1番艦「たいげい(SS-513)」が就役して以降、2番艦「はくげい(SS-514)」、3番艦「じんげい(SS-515)」、4番艦「らいげい(SS-516)」、5番艦「ちょうげい(SS-517)」などが順次制式配備された。なお、1番艦「たいげい」は最新技術の早期検証および乗員訓練の迅速化を図るため、2024年に試験潜水艦(TSE-3615)へ種別変更され、将来型装備の研究拠点として運用される独自の形態が採られた。実際の部隊運用においては、リチウムイオン電池がもたらす急加速性能と圧倒的な水中静粛性、長大な潜航耐久能力が発揮されており、日本周辺海域の警戒監視や各種対潜模擬演習において極めて高い追尾性能と隠密実効性を具体的に証明している。現代の海上自衛隊における潜水艦22隻体制の質的中核を担う最新鋭アセットとして、主要海峡や洋上防衛の第一線で確固たる立ち位置を保持している。

Official Name (正式名称)たいげい型潜水艦 / Taigei-class submarine
Country of Origin (開発国)日本
Manufacturer (製造メーカー)三菱重工業 神戸造船所、川崎重工業 神戸工場
Designed (設計年)2010年代半ばから、そうりゅう型後期艦で確立されたリチウムイオン電池技術を全面採用し、さらに新四胴型構造によるステルス性の向上や新型ソナー(ZQQ-8)の搭載を目指した次世代型通常動力型潜水艦として設計が進められ、2018年に1番艦の建造を開始
2022年に1番艦「たいげい」が就役したことで、優れた水中持続力と高度な探知能力を備えた最新鋭主力潜水艦としての本格的な運用が開始された潜水艦
Primary Operators (主な運用組織)日本: 海上自衛隊(自衛艦隊 潜水艦隊:第1潜水隊群、第2潜水隊群、および潜水艦教育訓練隊(試験艦等への編入含む)において、現役および就役済みの「SS-513 たいげい」「SS-514 はくげい」「SS-515 じんげい」「SS-516 らいげい」「SS-517 ちょうげい」を配備・運用中)
Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量基準排水量:3,000 t / 水中(満載)排水量:約 4,300 t
Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水L: 84 m(全長) × W: 9.1 m(最大幅) × D: 8.5 m(深さ:10.4 m)
Propulsion (機関):ディーゼル・エレクトリック方式(リチウムイオン電池駆動)、2x 川崎重工 ディーゼル機関(5番艦以降は新型の25/31型を搭載予定)、1x 推進電動機、1軸推進、出力:水中 6,000 hp
Speed (速力):非公開 / 水中:20 kt(約 37 km/h)
Range (航続距離):非公開(大容量リチウムイオン電池と新型スノーケル発電システムの組み合わせにより、そうりゅう型を上回る優れた水中持続力・巡航性能を有する)
Complement (乗員数):約 70 名(女性自衛官の勤務を想定した専用居住区画やシャワー室等を当初から設計に導入)
Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー):ZQQ-8 潜水艦ソナーシステム(光ファイバー線群陣ソナー等を採用し、探知・処理能力を刷新)
ZYQ-3-1 潜水艦戦闘管理システム(潜水艦情報処理装置)
ZPS-6H 潜水艦用対水上レーダー
Armament (兵装):VLS(垂直発射システム):非搭載(セル数:0)
6x HU-606 533mm魚雷発射管(艦首上部に配置、18式魚雷および潜水艦発射型ハープーン対艦ミサイルなどを運用可能)
Aircraft Carried (艦載機)、
Carrying capacity(積載能力):
ヘリコプター運用能力および飛行甲板などは非装備
車両・貨物運搬能力:非装備(純粋な水中戦闘艦艇であるため、自艦用の作戦用資機材・魚雷等以外の車両や貨物の運搬能力は持たない)

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=116066739

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