Land Ceptor

Land Ceptor
左:Land Ceptor 右:Giraffe AMB(対空監視レーダー車)

概要と開発の背景

Land Ceptor(ランドセプター)は、2010年代に防衛大手MBDAが開発を主導し、2021年から2022年にかけてイギリス陸軍に制式配備された次世代地上基盤防空(GBAD)システム「Sky Sabre(スカイセイバー)」の中核をなす自走式発射車輛および迎撃ミサイルアセットである。開発の背景には、イギリス陸軍が1970年代から運用してきた短距離防空システムRapier(レイピア)の老朽化と、現代戦において飛来する超音速巡航ミサイル、ステルス戦闘機、無人航空機(UAV)、精密誘導兵器といった高度化する航空脅威に対する迎撃限界という更新ニーズ(EMADS構想)が存在した。イギリス海軍向け艦対空ミサイルSea Ceptorと共通のCAMM(Common Anti-air Modular Missile)を採用することで、陸海共通化による大規模なライフサイクルコスト削減を図りつつ、全天候・360度同時多目標迎撃能力を備えた防空能力の獲得を目指して開発が進められた。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、Rheinmetall MAN Military Vehicles(RMMV)製のHX77 8×8重戦術トラックの車体後部に、8連装キャニスター発射架台をパレット化して全装している点にある。発射メカニズムには、ロケットモーターを車上で点火させず圧縮ガスでミサイルを空中へ射出し、車上上空で展張後にモーターへ点火・反転する「ソフト・バーティカル・ローンチ(SVL:Soft Vertical Launch)」技術を採用している。これにより発射時の熱・赤外線シグネチャーや車体への損傷を最小限に抑え、森林や建造物の影といった死角の多い地形からでも360度全周の脅威に対して即時発射が可能である。弾体となるCAMM(重量99kg)は、アクティブRF(電波)シーカーと双方向データリンクを標準装備しており、Saab製Giraffe AMB 3Dレーダー(探知距離120km)およびRafael製MIC4AD C2システムと連携することで、射照レーダーの連続照射を必要としない射ち放し(Fire-and-Forget)能力と、最大24目標への同時対処能力を実現している。

運用実績と評価

2021年末から本格配備が開始されたLand Ceptor(Sky Sabreシステム)は、イギリス陸軍の王立砲兵隊(第16王立砲兵連隊)へ導入され、イギリス本土の防空体制を刷新した。実際の運用においては、2022年のロシア・ウクライナ紛争勃発に伴い、NATO東部陣形の対空防衛を強化するためポーランド国内へ緊急展開・常駐配備され、防空抑止ミッションを成功裏に遂行した。前級のRapierと比較して、有効射程が3倍以上の25km以上に延伸し、最高速度マッハ3.0の高速迎撃性能、ならびにGiraffe AMBレーダーとのデータリンク統合による優れた状況認識能力が前線部隊から極めて高く評価された。さらにイタリア陸軍(CAMM-ER仕様のGrifoシステム)など欧州各国でも派生型・同系システムが選択されており、現代のNATO地上防空ネットワークにおける高機動防空アセットとして定着している。

Official Name (正式名称)Land Ceptor (Common Anti-Air Modular Missile – Land Environment / CAMM-L)
Country of Origin (開発国)イギリス
Manufacturer (製造メーカー)MBDA UK (システム主契約者およびCAMMミサイル製造) / 車体: Rheinmetall MAN Military Vehicles (MAN HX77 8×8 トラック)
Designed (設計年)システムの中核となるMBDA製CAMMミサイル自体の開発・設計は2004年に開始され、最終的なLand Ceptor構成は2017年9月に公開、運用開始年は、イギリス陸軍の第16王立砲兵連隊に配備・導入が開始された2021年12月(公式な部隊交替・全体系運用開始は2022年1月)
Primary Operators (主な運用組織)イギリス:イギリス陸軍 (第7防空旅団 7th Air Defence Group / 第16王立砲兵連隊 16th Regiment Royal Artillery)において自走式中近距離防空システムSky Sabreの地上発射アセットおよび発射車両群としてLand Ceptor(CAMM-L)を配備・運用
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)2名 – 3名 (発射車両単体の乗員数)
Combat Weight (戦闘重量)約 32 t (約 32,000 kg / 約 70,547 lbs / 約 35.27 short tons / 車両・ミサイル等含む全備重量)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)L: 約 10.13 m (約 33.23 ft / 398.82 in)
W: 約 2.55 m (約 8.37 ft / 100.39 in)
D: 全高 約 3.92 m (約 12.86 ft / 154.33 in)
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)キャブ部に防弾・防片装甲 (Modular Armor Cabin / Protected Cab 小火器・弾片防御力保持)
Main Armament (主武装)8x CAMM (Common Anti-Air Modular Missile) 垂直発射キャニスター (即応弾8発。拡張型CAMM-ERにも対応)
射程: 約1km 〜 25km以上(射程拡張型のCAMM-ERでは約45km以上)
最大速度: マッハ3(約1,020 m/s)
シーカー(誘導方式): アクティブ・レーダー・ホーミング(ARH) + 双方向データリンク
弾頭: 指向性破片効果弾頭(近接信管および接触信管)
発射方式: コールド・ラウンチ(Soft Vertical Launch)
Secondary Armament (副武装)None
Engine (エンジン出力 hp/kW)MAN D2066 LF34 6-cylinder Turbocharged Diesel Engine
出力: 443 hp (約 330 kW)
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)Paved (整地): 約 90 km/h (約 55.92 mph)
Operational Range (航続距離)約 800 km (約 497.10 miles / 車両単体の走行航続距離)

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Example Attribution, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=141480077
  2. British Army (Ministry of Defence) – https://www.army.mod.uk/learn-and-explore/equipment/artillery-and-air-defence/land-ceptor/

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