Carl Gustaf M2/M3/M4 8.4cm recoilless rifle

カールグスタフ 84mm無反動砲
アメリカ陸軍のM3 MAAWS

スウェーデンのSAABが開発した84mm口径の携行式無反動砲である。1940年代後半に登場して以来、世界各国で広く採用されている歩兵支援火器で、対戦車戦闘だけでなく、陣地破壊、対人制圧、照明弾発射など多用途に運用できる。後装式を採用しており、再装填して繰り返し使用可能なのが特徴。各種弾薬が豊富で、高性能対戦車弾(HEAT)、榴弾、煙幕弾、照明弾などを使用できる。軽量化や電子照準器対応を進めたM3・M4型などの近代化型も存在し、特殊部隊から一般歩兵部隊まで幅広く配備されている。日本では陸上自衛隊が「84mm無反動砲」として運用している。

Official Name (正式名称)Carl Gustaf M2/M3/M4 8.4cm recoilless rifle
Country of Origin (開発国)スウェーデン
Manufacturer (製造メーカー)Saab Bofors Dynamics
Designed (設計年)スウェーデンで1940年代後半に開発され、1948年頃からスウェーデン軍で運用が開始された携行式無反動砲である。初期型のM1に続き、軽量化や耐久性向上を図ったM2、グラスファイバー部品採用で大幅軽量化したM3、さらに重量低減や電子照準器対応、携行性向上を実現した最新型M4(Carl-Gustaf M4)が開発され、各国軍で運用されている
Primary Operators (主な運用組織)スウェーデン:スウェーデン国防軍(陸軍主力歩兵部隊や特殊部隊等で、M2/M3、および最新のM4を「Grg m/48」「Grg m/86」「Grg m/18」等の制式名称で広く現役運用)
アメリカ合衆国アメリカ陸軍アメリカ海兵隊アメリカ空軍、および特殊作戦軍(USSOCOM)(M3を「M3 MAAWS」、軽量改良されたM4を「M3E1 MAAWS / M3A1 MAAWS」として空挺部隊、レンジャー部隊、海兵隊分隊、基地防衛部隊などで幅広く現役運用)
イギリスイギリス陸軍(過去にM2仕様を「L14A1」として運用後退役、ウクライナ支援に伴う弾薬・装備補填として2023年より最新のM4仕様を再導入し主力戦闘部隊で配備・運用を再開)
日本陸上自衛隊(84mm無反動砲(M2)※豊和工業によるライセンス生産、84mm無反動砲B(M3)※豊和工業によるライセンス生産、2023年には最新の84mm無反動砲C(M4)をサーブ社から完全完成品として公式発注し順次配備・運用を開始)
オーストラリア:オーストラリア陸軍(M2、M3仕様を制式運用、更新計画「LAND 159」により最新のM4仕様を「AMR 84mm M4」等として順次主力部隊へ実戦配備・運用中)
カナダ:カナダ陸軍(M2およびM3仕様を「84mm SRAAW (Medium)」として主力歩兵部隊や予備役部隊等で現役運用、一部はウクライナ軍への安全保障支援として譲渡・供与)
インド:インド陸軍(長年M2およびM3仕様を主力装備として運用、さらに国営企業や国防省主導でサーブ社との合意に基づき設立された現地100%外資工場(SAAB FFVO India)にてM4仕様のライセンス現地生産「Made in India」を開始し、山岳部隊等の前線に順次配備・運用中)
ドイツ:ドイツ陸軍(M2仕様を「Leichte Panzerfaust Carl Gustaf」として運用、現在は主に照明弾や発煙弾などの特殊弾薬発射用途、あるいは実戦訓練および特殊作戦群(KSK)等の特定部隊で限定的に運用)
ノルウェー:ノルウェー陸軍(M2およびM3仕様を長年にわたり運用、2021年の調達枠組み合意に基づき最新のM4仕様を順次主力歩兵部隊等へ調達・配備し運用中)
デンマーク:デンマーク陸軍(M2、M3仕様を「Dysekanon M/85」として歩兵部隊に配備・運用、さらに旧世代からの更新として2022年より最新のM4仕様を公式に導入・運用中)
ラトビア:ラトビア国家武装部隊(バルト共同調達により、M3仕様および最新のM4仕様を主力歩兵部隊、特殊部隊等で広く運用中)
エストニア:エストニア国防軍(主力歩兵部隊、特殊部隊、および国境防衛部隊において、M2、M3仕様に加え、2021年より最新のM4仕様を導入し現在も実戦運用中)
リトアニア:リトアニア陸軍(主力歩兵および防衛部隊においてM3仕様を運用中、2022年以降の追加調達合意に基づき最新のM4仕様も順次配備・運用中)
ポーランド:ポーランド陸軍、および特別作戦軍(M3仕様を特殊部隊等で運用中、2024年3月に締結された大規模調達契約に基づき、主力部隊への最新M4仕様の配備・運用を拡大中)
イタリア:イタリア陸軍(2023年からの長期調達プログラムに基づき、各歩兵連隊や特殊作戦部隊等に最新のM4仕様を順次配備・運用中)
ハンガリー:ハンガリー国防軍(先進的なレーザー誘導火器管制システム(FCS)をセットにした最新のM4仕様を公式調達し、特殊部隊や実戦ユニット等で運用中)
バングラデシュ:バングラデシュ陸軍(旧式の中国製RPGを置き換える新世代対戦車・歩兵支援兵器として、最新のM4仕様を公式に調達・運用中)
スロバキア:スロバキア陸軍(M4発表の初期段階より正式調達を開始し、2017年7月より主力実戦部隊や特殊部隊にて運用中)
オランダ:オランダ陸軍(既存の旧型仕様に加え、2025年発注の最新M4仕様を主力部隊へ順次調達・配備し運用中)
ギリシャ:ギリシャ陸軍(主に対戦車および歩兵火力支援用として、M2仕様を現在も一部主力部隊等で現役運用)
タイ:タイ王国海兵隊、およびタイ王国陸軍(主力歩兵および海兵部隊において、M3仕様を長年制式運用しており、最新のM4についても順次交渉および技術評価プロセスの段階に移行中)
インドネシア:インドネシア陸軍(コパスス:Kopassus)、インドネシア海軍(コパスカ:Kopaska)、およびインドネシア空軍(コパスガット:Kopasgat)(陸海空の各種精鋭・特殊作戦部隊において、M2およびM3仕様を対戦車・不正規戦用の強力な隠密支援火器として実戦配備・運用中)
マレーシア:マレーシア陸軍(主力歩兵部隊等において、従来のM2仕様を対戦車および拠点攻撃・防衛用に長年配備・運用中)
シンガポール:シンガポール陸軍(歩兵および特殊作戦ユニット等の戦闘支援装備として、M2仕様を長年にわたり制式配備・現役運用中)
ベルギー:ベルギー陸軍(特殊作戦連隊や一般歩兵部隊において、M2およびM3を対戦車・支援火器として現在も保管・運用)
ブラジル:ブラジル陸軍、およびブラジル海兵隊(M2およびM3を主力歩兵・海兵部隊で広く運用)
チリ:チリ陸軍(歩兵部隊の戦術対戦車兵器としてM2/M3を配備・運用)
ペルー:ペルー陸軍(特殊部隊や山岳歩兵部隊等においてM2/M3を運用)
ベネズエラ:ベネズエラ陸軍(M2仕様を長年対戦車・拠点攻撃用に運用)
イスラエル:イスラエル国防軍(IDF)(過去に大規模運用、現在は予備役部隊や特定の歩兵・特殊部隊等で限定的に保管・運用)
オーストリア:オーストリア陸軍(M2を「PAR 66」、M3を「PAR 70」として歩兵部隊等で長年現役運用)
クウェート:クウェート陸軍(M2/M3仕様を一部の歩兵ユニットにて運用)
ミャンマー:ミャンマー国軍、および敵対する各種少数民族武装組織・抵抗勢力(国営兵器工場がM2をコピー生産した「MA-10」を双方の陣営が激しい戦闘で使用中)
ウクライナ:ウクライナ武装部隊(陸軍、特殊作戦部隊、領土防衛隊など。カナダ、デンマーク、バルト三国など西側諸国から軍事支援物資として大量に供与されたM2、M3仕様、および最新のM4/M3E1仕様を、前線の実戦において対戦車・対構造物用に主力運用)
ロシア連邦:ロシア連邦軍(公式な直接調達国ではないが、ウクライナの戦場においてウクライナ軍から鹵獲した各種対戦車火器とともに、M3、M3E1/M4本体および専用弾薬を鹵獲品として一部の前線戦闘部隊がそのまま転用・実戦運用)
Type (種類)肩撃ち式多用途無反動砲 (Shoulder-fired recoilless rifle / crew-served multi-role infantry support gun)
Caliber (口径)84 × 245 mm R RCL
Operating Principle (作動原理)デビス式(後方噴射による同等質量のカウンター・カウンターブラスト等ではない、燃焼ガスの後方放出[ラバラン・ノズル]によって反動を完全に相殺する無反動式) ※ただし弾種によって、発射後に推進するロケット推進弾(ロケットアシスト弾)も併用
Overall Length (全長)M2: 1,130 mm (44.49 in)
M3: 1,065 mm (41.93 in) ※一部資料で1,070mm、1,100mm
M4: 950 mm (37.4 in) ※一部資料で980mm
System Weight (システム重量)M2: 本体約 14.2 kg (31.3 lb)
M3: 本体約 10.0 kg (22.0 lb) ※キャリングハンドルや二脚等の仕様により約8.5〜9.5kg
M4: 本体約 6.6 〜 6.7 kg (14.5 〜 14.7 lb)(光学照準器およびブラケットは非装着状態、装着時約7.0kg)
即応弾を含めた総重量: 使用する弾薬(およそ 3.0 〜 4.0 kg)および選択する光学照準器・火器管制装置(FCS13-REなどのデジタル照準器は約 1.82 kg)により大きく変動
※すべて本体重量および照準器(標準3xスコープ)を装備した空重量
Muzzle Velocity (初速)230 〜 255 m/s (754 〜 836 ft/s) ※弾種(ロケットアシストの有無など)により異なる
Armor Penetration (装甲貫通力)単一HEAT弾(FFV551等): 均質圧延装甲(RHA)換算で 400 mm (15.75 in) 以上
タンデムHEAT弾(FFV751等、爆発反応装甲[ERA]対策仕様): 爆発反応装甲を貫通・無力化後、本体主要装甲を 500 mm (19.69 in) 以上貫通
Effective Range (有効射程)対移動目標: 150 〜 200 m (164 〜 218 yd) ※最大350m
対固定目標: 350 〜 500 m (382 〜 546 yd) ※ロケットアシスト弾(HEAT 551)使用時で 700 m (765 yd)
榴弾(HE)等での面制圧: 1,000 m (1,093 yd)
最新のレーザー誘導弾(HE 448や開発中の誘導弾)使用時: 2,500 m (2,734 yd)
Sight / Guidance (照準・誘導方式)標準仕様: 機械式オープン(アイアン)サイト、および3倍または4倍光学照準器(Telescopic sight)
M4 / M3A1以降: ピカティニー・レールを標準装備し、ドットサイト(Red dot sight)、IR/レーザーレンジファインダー付高性能火器管制システム(Aimpoint社製 FCS13RE / FCS14 等)を組み合わせた動的自動弾道補正・精密射撃システム。
誘導弾種: 一部開発・実用化が進められている新世代弾薬(スマート弾)にて、レーザー照射追従型のセミアクティブレーザー誘導(SAL)に対応

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画像の引用元
  1. By Senior Airman Emily Farnsworth – https://www.dvidshub.net/image/6841720/3-geronimo-paratroopers-fire-anti-tank-weapons, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=115998635

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