
M992野戦特科弾薬給弾車は、アメリカ合衆国が開発した自走榴弾砲用の追従型装甲弾薬補給車である。通称「FAASV(野戦特科弾薬支援車)」、またはその頭文字から「CAT」とも呼ばれ、未装甲だったM548補給車の後継として導入された。最大の特徴は、主対象であるM109自走榴弾砲のシャーシをベースに設計されている点である。砲塔の代わりに強固な固定式大型上部構造(密閉式上屋)を搭載し、M109と同等の機動力と強固な装甲保護性能、高い部品共通性を実現した。内部には油圧駆動の弾薬コンベアシステムを備え、車体後部からM109の砲塔後部へ直接接続することで、乗員が敵の砲弾破片や化学兵器などの脅威に身を晒すことなく、安全に155mm砲弾や装薬を高速給弾できる。
| Official Name (正式名称) | M992 field artillery ammunition supply vehicle |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | BAE Systems Inc. (初期開発・設計は Bowen-McLaughlin-York / BMY Combat Systems) |
| Designed (設計年) | 1970年代にボウエン・マクラフリン・ヨーク(BMY)社によって開発要求に基づく設計が開始され、1979年から1982年にかけて試作・設計が完了、1982年にアメリカ軍において公式に制式導入され運用が開始 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍、陸軍州兵:Army National Guard(各装甲旅団戦闘チーム(ABCT)傘下の野戦砲兵大隊にM109砲とともに配備。現在はM109A7自走砲の導入に合わせて、足回りをブラッドレー戦闘車と共通化し機動性を大幅に高めた最新派生型の「M992A3」(別名M109A7運搬車仕様)へのアップグレード・全軍配備が本格的に進行中) ウクライナ:ウクライナ陸軍(ロシアによる全面侵攻への対抗支援として、米国政府よりM109A6自走砲用のバディ車両として公式に数十両規模の「M992A2」を受領。前線の主要砲兵旅団・対砲兵戦闘ユニットにおいて、155mm砲弾の安全な高速給弾アセットとして実戦運用中) ブラジル:ブラジル陸軍(米陸軍の余剰防衛装備品(EDA)プログラムから有償調達した40両規模の「M992A2」を公式保有。南米地域における機械化砲兵旅団の基幹弾薬運搬アセットとして現役運用中) チリ:チリ陸軍(スイス陸軍から中古調達した個体をベースに、スイスRUAG社およびチリ自国のFAMAE社が高度近代化アップデートを施した独自派生バリアントを公式配備。機械化砲兵大隊等において現役運用中) エジプト:エジプト陸軍(大量のM109自走砲ファミリーを補給するため、これまでに約275両規模の「M992 / M992A2」を大規模に公式調達。野戦砲兵軍の主力重装甲弾薬補給車として前線配備・長期運用中) モロッコ:モロッコ王立陸軍(北アフリカ地域の防衛力近代化に伴い、2016年以降に米国政府(DSCA)からの公式承認を経て85両規模の「M992A2」を調達。主要な機械化砲兵連隊において現役運用中) 台湾(中華民国):中華民国陸軍(陸軍の各機械化歩兵旅団および装甲旅団傘下の野戦砲兵大隊において運用中。なお、M109A6自走砲自体の導入は近年キャンセルされましたが、既存のM109A2/A5自走砲を支える中核装甲補給アセットとして「M992A2」が広く公式現役維持・運用中) ギリシャ:ギリシャ陸軍(各野戦砲兵部隊・機械化師団において、保有する大量のM109自走砲部隊に追従する標準型装甲弾薬支援車として「M992A2」を公式配備・現役運用中) スペイン:スペイン陸軍(陸軍の主要な装甲・機械化部隊の砲兵大隊において、自国運用のM109A5自走砲に追従する重装甲補給アセットとして「M992 / M992A2」を公式保有・現役運用中) インドネシア:インドネシア陸軍(ベルギー軍から中古調達したM109A4等とともに、4両の公式受領が確認されている「M992A2」を陸軍の精鋭砲兵ユニットにおいて限定的ながら最高水準の重装甲給弾アセットとして公式配備・運用中) タイ:タイ王国陸軍(陸軍の野戦砲兵大隊において、米国から導入した少数のM109A5自走砲の補給・支援を担当する公式バディ車両として、通常型および近代化型を現役維持・運用中) レバノン:レバノン陸軍(米国の対テロ・防衛援助枠組み等を通じて、通常型および各種バリアントを公式に調達。陸軍砲兵部隊において重要拠点防衛・野戦砲兵アセットの補給用として保有運用中) スイス:スイス陸軍(自国運用のM109自走砲部隊を支えるため長年公式保有。なお、近年一部の余剰車両がチリ陸軍等へ売却移転されていますが、現役の装甲砲兵アセット用として一定数を継続維持) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 3名 〜 4名 |
| Combat Weight (戦闘重量) | 26,100 kg (26.1 t / 28.8 short tons) |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | W (全幅): 3,150 mm (3.15 m) L (全長 / 砲身なし車体長): 6,600 mm 〜 6,670 mm (6.6 m) H (全高 / D指定): 3,240 mm 〜 3,280 mm (3.24 m 〜 3.28 m ※上面マウント部含む) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | All-welded 5083 aluminum alloy armor (5083溶接アルミニウム合金装甲) ※ベースとなったM109自走砲と同等の厚さ32mmの溶接アルミニウム装甲で構成され、小銃弾や砲弾の破片から内部を保護する。複合装甲や爆発反応装甲(ERA)は装備していない。 |
| Main Armament (主武装) | なし |
| Secondary Armament (副武装) | 1 x 12.7 mm M2HB heavy machine gun (車長キューポラ部マウント) |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Detroit Diesel 8V-71T LHR liquid-cooled supercharged 2-stroke V8 diesel engine (デトロイト・ディーゼル社製 8V-71T 2サイクル水冷過給器付きV型8気筒ディーゼル、出力: 440 hp / 330 kW ※2,350 rpm時 ※初期型M992は405 hp) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): 56 km/h 〜 64 km/h Unpaved (不整地): 約 25 km/h 〜 30 km/h |
| Operational Range (航続距離) | 354 km (220 miles) |
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画像の引用元
- By Sgt. Richard Jones – https://www.dvidshub.net/image/1792047, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=40010766





