


概要と開発の背景
Alvis Stormer HVM(アルヴィス・ストーマー HVM)は、1980年代後半にイギリスのAlvis plc(現 BAE Systems Global Combat Systems)が開発し、1997年よりイギリス陸軍に制式導入された装軌式高機動近距離防空(SHORAD)システムである。開発の背景には、冷戦期から過酷化する前線領域において、地上機甲部隊や歩兵部隊を攻撃ヘリコプターや低空で接近する高速攻撃機(ジェット戦闘爆撃機)の脅威から迅速に保護する更新ニーズが存在した。従来の牽引式・定置式防空システム(Rapier等)や後方依存の対空火器では、前線装甲部隊の機動に遅滞なく追従して即時迎撃を行うことが困難であったため、実績のあるCVR(T)派生車体(Alvis Stormer)に超高速ミサイルStarstreak HVMを統合した、高機動・gegsgs自走型防空プラットフォームとして開発がスタートした。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、アルミニウム合金製軽量装甲で構成されたAlvis Stormerの装軌式車体後部に、8発の即応発射筒(ランチャー)を備えた全周無人旋回砲塔と、Thales(旧 Short Brothers)製Starstreak HVM超高速防空ミサイルを統合している点にある。本車はレーダー電波の放射を行わず、車体上部に搭載された赤外線受動追尾・警報装置(ADAD:Air Defence Alerting Device)により、敵機が発する熱源(赤外線シグネチャー)を受動検知して自動追尾するパッシブ方式を採用している。迎撃ミサイルStarstreakは発射後マッハ3.5以上の超高速に達し、弾頭部から3基のタングステン製矢型弾頭(ダート)が分かれて独立進空する。誘導には二重レーザービームライディング(Laser Beam Riding)方式を採用しており、相手方のフレアやチャフ、各種電子戦デコイ等の赤外線妨害装置を完全に無力化する高い命中精度と貫通力を誇る。パワートレインにはPerkins製T6.3544 6気筒ターボディーゼルエンジン(出力250馬力)とDavid Brown製変速機、トーションバー懸架装置を全装し、不整地における高い走破性能を備えている。
運用実績と評価
1997年の制式化以降、Stormer HVMはイギリス陸軍の王立砲兵隊(第12王立砲兵連隊等)に135機が導入されたほか、オマーン軍やウクライナ軍へ導入され、実戦運用されている。実際の運用においては、2003年のイラク戦争(イラク自由作戦)への実戦投入をはじめ、2012年ロンドンオリンピック時の首都防空体制構築、ならびに中東での拠点警備へ展開された。さらに2022年のロシア・ウクライナ紛争において、イギリス政府からウクライナ軍へ供与され、低空で飛来する各種ドローン(UAV)や巡航ミサイル、攻撃ヘリの早期撃墜において顕著な戦果を上げた。従来のレーダー照射型防空システムと異なり、逆探知(電磁波検知)による位置特定を受けず、極めて低い熱・電波シグネチャーで隠密待ち伏せ(アンブッシュ)迎撃が可能な点、ならびにマッハ3.5の超高速迎撃能力が前線部隊から高く評価されている。現代の複合的空域脅威に対する不可欠な装甲SHORADアセットとして確固たる地位を維持している。
| Official Name (正式名称) | Stormer HVM (High Velocity Missile) |
| Country of Origin (開発国) | イギリス |
| Manufacturer (製造メーカー) | Alvis Vehicles (現 BAE Systems Land & Armaments) |
| Designed (設計年) | ベースとなるStarstreak対空ミサイル(HVM)システム自体は1986年より開発が進められ、車体側のStormer HVMは1995年までに納入を終えたのち、1997年にイギリス陸軍へ正式に運用開始(導入)された |
| Primary Operators (主な運用組織) | イギリス:イギリス陸軍 (王立砲兵連隊 Royal Artillery / 第12王立砲兵連隊等)において近距離防空用としてStormer HVMを配備・運用 ウクライナ:ウクライナ陸軍においてイギリスからの供与により防空兵器としてStormer HVMを導入・運用 オマーン:オマーン王立陸軍(Royal Army of Oman)において近距離防空用としてStormer HVMを調達・運用 |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 3名 (車長、操縦士、砲手) |
| Combat Weight (戦闘重量) | 約 13.5 t (約 13,500 kg / 約 29,762 lbs / 約 14.88 short tons) |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | L: 約 5.27 m (約 17.29 ft / 207.48 in) W: 約 2.76 m (約 9.06 ft / 108.66 in) D: 全高 約 2.49 m – 2.50 m (約 8.17 ft – 8.20 ft / 98.03 in – 98.43 in) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | Aluminium armor (アルミニウム合金装甲、小火器弾および砲弾の破片に対する防御能力能力を保持) |
| Main Armament (主武装) | 8x Starstreak High Velocity Missile (HVM) (8連装ランチャー、即応弾8発) + 車内再装填用ミサイル 12発 (最大合計20発) |
| Secondary Armament (副武装) | None (発射機側面に7.62mm Smoke Grenade Dischargers (7.62mmスモークディスチャージャー) を装備) |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Perkins T6.3544 6-cylinder Turbocharged Diesel Engine 出力: 250 hp (約 186 kW) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): 約 80 km/h (約 49.71 mph) |
| Operational Range (航続距離) | 約 600 km (約 372.82 miles) |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- By Photo: Mike Weston/MOD, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26896855
- By АрміяInform – https://armyinform.com.ua/2023/06/09/brytanski-nevydymky-zrk-stormer-roblyat-popabil-rosijskym-okupantam/https://web.archive.org/web/20230609103526/https://armyinform.com.ua/2023/06/09/brytanski-nevydymky-zrk-stormer-roblyat-popabil-rosijskym-okupantam/, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=135067327
- By Photo: Sgt Mark Webster RLC/MOD, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=43159040



